本書は、ノストラダムスの予言を単なる予言集として解釈するのではなく、一つの壮大な歴史物語として読み解き、体験することを目指しています。
読者は、ダ・ヴィンチをも超えると言われる超人的な能力を持った人物が遺した、驚異的な予言詩を初めて深く体感することができるでしょう。
タイムトラベルの足跡をたどり、青年時代の戦う医師が「神通力」を手に入れる物語が展開されます。
「トリノ大理石板」と「ノストラダムス・コード」の謎が解き明かされ、ヴェルサイユの華麗な栄光からその衰退までが語られます。
フランス革命やギロチンの刃に象徴される“第一のバビロン”、恐怖政治下での犠牲となった王家、そしてナポレオン神話の栄光と暗部に光を当てます。
英国の立憲王政や米国の“人間的統治”を讃え、第一次世界大戦や“第二のバビロン”と呼ばれるロシア革命を検証します。
さらに、半月刀と日輪に関連する予言、そして天皇と「不死鳥」をキーワードに日本の運命を探ります。
さらに、本書ではノストラダムスの予言を歴史的な文脈に位置付けて解説しています。著者は、ノストラダムスの時代や当時の政治情勢、社会背景などを詳細に説明し、彼の予言がどのような状況から生まれたのかを読者に明らかにしています。その結果、読者はノストラダムスの予言をより深く理解し、その意味を解釈する手助けを得ることができるでしょう。
この書籍は、ノストラダムスの予言を単なる予知や予言としてではなく、人類の歴史や未来に対する深い洞察として捉えています。著者はノストラダムスの言葉が現代の世界にも通じる普遍的なメッセージを含んでいると考え、その解釈を通じて読者に新たな視点を提供しようとしています。
最後に、本書は読者に、ノストラダムスの予言を単なる未来の予測ではなく、人類の歴史や文化と密接に結びついた重要なメッセージとして捉えるよう促しています。著者はノストラダムスの言葉が時代を超えて人々に示唆を与えるものであると信じ、その重要性を読者に伝えようとしています。
竹本忠雄のプロフィール
日本とフランスの両言語を駆使する評論家、講演家であり、筑波大学名誉教授、コレージュ・ド・フランスの元招聘教授です。
1932年生まれの彼は、日本の霊性文化の復興を目指し、1950年代から評論活動を開始しました。彼の学びは、東京教育大学大学院での仏文学専攻に始まります。