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子供の世話になって死んでいきます
著 者
海老名 香葉子
定 価
  ¥1365
発 行
  2011.12
ISBN
  978-4-7593-1224-9
子供の世話になって死んでいきます
お金の貯蓄も大事でしょうが、情の貯蓄が尚更です

本書は、これまで三度も心筋梗塞になって死の淵をさ迷い、三年前にガンを患った海老名さんの最新刊です。そんな自分のことはお構えなしに、本書の中には、3.11の被災地のみなさんを励まし続ける海老名さんの姿があります。愚痴一つこぼすことなく、むしろ軽やかに、「忙しさよ、ありがとう」と、自分が忙しく動けることに海老名さんは感謝しています。そんな活動を続けている海老名さんのエネルギーは、どこからきているのでしょうか? 去年、喜寿を迎え、あと二年で、海老名さんは80歳になります。確かに、有名人には違いはないものの、市井のひとりのおかみさんとして、毎日、正直に、男役もこなして、喜怒哀楽を生きています。そんな海老名さんの人生を見つめながら、同時に、海老名家の歴史も見つめ、日本の元気な一家庭の姿を紹介することによって、多くの人たちにも、「ほっと」することのできる安心を届けてくれる本です。元気がないな、と思ったそのときに、ふと、開いてみたくなる本です。


はじめに ※正々堂々と、子供の世話になって死んでいきます

第1章 忙しさよ、ありがとう

第2章 嫁姑の仲は思えば思われる

第3章 子育て・孫育ての心

第4章 うちのごはんは天下一

第5章 暮らしを愉しむ知恵

おわりに ※人間、苦労ばかりじゃない

おわりの後に ※朝の光の中で、台所で話しかけたかった六通の手紙

年老いて私は、子供たちに、絶対、世話になって死んでいく、と信じているのです。決して、ほっとくはずがありません。一生懸命育てた子が、母を粗末にするはずがありません。私は、正々堂々と、子供の世話になって死んでいくこと間違いありません。情のある子ばかりが、私の廻りにいます。

この本の編集担当になれたことが縁で、著者の海老名香葉子さんとは、毎週のようにお会いしては、二人で、泣きながら、いい本を作りましょう、と話し合いました。なぜ、泣いたのか、と申しますと、海老名さんは、ずっと、ご苦労された方なのに、そんなことは、まったくお話しになりません、ただ、話しこむと、正直に、ぽつりと、つらかった話を、本当に正直に、語ってくれたのです。そんな時に泣きました。海老名さんは、幼くして父(初代三平)を亡くした次男が不憫で、育てながら、泣きそうになるのでしたが、泣きませんでした。どうして、強く生きてこられたのかというと、海老名さんは、戦前の流行歌『悲しき子守唄』の歌詞にある、「可愛いおまえが あればこそ つらい浮世も なんのその 世間の口も なんのその 母は楽しく 生きるのよ」の歌を思い出しては、最後の歌詞を、「母は涙で、生きるのよ」と替えて、夜中に、ひとり静かに小さな声で歌っては、自分を励ましていたのです。そんなふうにして働き貫いてきたのです。そして、がんばってこられたのは、息子たちがいてのことなんだ、と気づくのでした。取材中、何度、その悲しい海老名さんの歌声を、聴いたものか、つらい時間でしたけれど、とっても、感動するひとときでした。この本の中には、そんな海老名さんの歌声も、書かれてあります。

海老名 香葉子(えびな かよこ)

昭和8年(1933年)、東京生まれ。昭和20年3月、東京大空襲で家族6人を失う。戦後、先代の三遊亭金馬師匠に引き取られ育つ。昭和27年にも落語家林家三平と結婚。昭和55年、夫三平の死後は、テレビ、ラジオ、雑誌などマスメディアで、コメンター、身の上相談、エッセイストとして活躍。著書には、『ことしの牡丹はよいぼたん』(文春文庫)、『あした天気になあれ』(朝日新聞出版)、『うしろの正面だあれ』(金の星社)ほか、話題作品が多数ある。




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