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月族 〜月光の導き ルーンの物語〜


今村恭子(いまむら きょうこ)
\1323
2006.7
4-7593-0940-3


薬子に「月族」の物語を語ってくれた飛鳥がいなくなって早二年。大学4年生なのに就職活動にも身が入らず、まだ本当の恋も知らない、愛も分からない薬子は、月の写真を撮る老カメラマン北条成信と出会う。北条さんの口から語られる、はるか昔、愛に生き、国を懸けて戦った「月族」の王子ルーンの物語に耳を傾けるうちに、薬子はようやく愛に一歩踏み出す決心をするのだった──。

【本文より一部抜粋】
──どこまで信じていいのか、分かりません。
わたしがそう告げると、北条さんは小さく頷いた。
──まずルーンの話を聞いてみてはどうだろう。月族の物語をすべて知ることで、あるいは君はわたしなんかよりももっと深く、そして広く、月族のことを知ることができるかもしれない。

北条さんはわたしを見つめた。
その瞳の中に、月光で揺れる砂漠がうっすらと現れはじめた。
それはさらさらきらきらとわたしの心の中に広がっていった。
その次の瞬間、砂嵐で霞む砂漠を渡るルーンの一行が見えた気がした。


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