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歩き遍路


辰濃和男(たつの かずお)
\1785
2006.6
4-7593-0935-7


著者にとって三度目の四国お遍路。今回は73歳の秋から、「区切り打ち」で2年かけて歩いた体験をエッセイに凝縮。一番霊場から八十八番までと、へんろ道での出あいで構成。歩き遍路なればこそのご利益、醍醐味とはなにか。へんろは人をどうしようもなく独りの状態に追いこむ。群れを離れて歩くことで一本の野草と相対することができる。一片の雲と相対することができる。潮の干満が教えてくれる宇宙の営みに相対することができる。森の道をゆくとき、ほの暗い緑のトンネルの果てに、ぽっかりとまぶしい光の画像が浮かぶ。明と暗。陰と陽。苦と楽。苦がなければ楽もない。へんろ道を歩くことでそのことを学んでゆく。人生もまた同じ、と。本書はガイドブックではなく、珠玉の「読む遍路」である。著者の感慨は次の言葉に込められる。「土を踏み、風に祈る、それだけでいい」


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